「認知症」を知る集い

2017年12月05日火曜日 16:00

小豆沢病院城北友の会では、地域での健康増進活動を長年活動しています。
11月22日(水)に、小豆沢支部の前野班、前野すみれ班が、《「認知症」を知る集い》を
前野ホールで開催しました。地域のひとたち60人が認知症について聞きに来ました。


開催にあたって小豆沢支部事務局長から挨拶がありました。
江戸時代は人生50年と言われていましたが、現在は80年、これからは90年と伸びていく時代です。85歳以上4人に1人は認知症になるかもしれません。認知症になったら?家族に認知症がでてきたら、どう対応したらいいのか。みなさんで一緒に聞いていきましょう。

はじめに、認知症の理解を深めるDVDを視聴しました。
その中ではこんな症状が頻繁にみられると言われていました。

認知症に垣間見られる症状
ア)ゴミの分別が分からなくなる。ごみの収集場所に、間違った曜日のごみ出しをしてしまう。
→「間違っていますよ」と指摘、怒ってしまうと、余計にその人の頭の中で混乱が生まれてしまう。
Better Answer:一緒に出しに行きましょうと声をかける

イ)買い物で手間取る。小銭が数えることができず、財布の小銭入れをかき回してそのまま閉じてしまう。
Better Answer:一緒に小銭を数える

ウ)道を間違えている。自分自身の現在の居場所が分からなくなっている。
→面倒事を避けたく声をかけないでいると、その人の捜索願いや行方不明となってしまうことがある。
Better Answer:様子を見守り、不安に感じたら前からゆっくり声をかける。

続いて、地域包括ケアセンター(前野お年寄りセンター)の方からお話を聴きました。

地域包括ケアセンター(お年寄りセンター)は、板橋には18カ所開設、月~土、9時~17時まで開いています。
職員は、保健師1名、社会福祉士2名、ケアマネ2名(内主任ケアマネ1名)です。
“住み慣れた地域で安心してその人らしい生活を続けていくために” をスローガンに活動しています。
①総合相談・支援
②権利擁護(金銭的管理の後見人制度紹介や特殊詐欺への相談・対応など)
③包括的・継続的ケアマネジメント支援(介護のネットワーク)
④介護予防ケアマネジメント(脳活性教室)
認知症は、462万人いると言われていて、7人に1人が認知症です。
認知症と物忘れの違いはなんでしょう。
例えば、昨夜の晩御飯はなにを食べましたでしょうか。食べたけど、メニューが思い出せない。それは加齢による物忘れです。認知症は、食べたということが抜けてしまうことです。
認知症には、主に3分類されます。アルツハイマー(6割)・血管性(2割)・その他(レビー小体型など2割)となっています。
アルツハイマー型は、脳にごみがついてしまい、記憶障害、認識不足になります。血管性認知症は、脳梗塞や脳血管の病気から生じた症状で、主の病気がよくなれば認知症も治る可能性があります。
お年寄りセンターは、地域の介護ネットワークに繋ぐ入口になりますので、なにか介護などで不安なことがありましたらご相談ください。

小豆沢病院の介護福祉士からは、認知症への接し方をお話しして頂きました。
         
認知症で不安げに街を歩いている方は、急に声をかけられると体が固まってしまいます。
その時は、目線に合わせてゆっくりと話しかけましょう。
また複数人で声をかけるときは、認知症の方を囲まないようにしましょう。知らない人に集団で囲まれると恐怖心が募ります。声掛けをする人、連絡する人など担当をわけて接しましょう。
認知症に垣間見られる症状Ⅱ
ア)お風呂に入るのを嫌がる。
→ ×くさいから、冷めるから早く○暖まりますよ、温泉みたいですよ
イ)財布を忘れた、盗まれた。
→ ×知らない、拒絶         ○一緒に探しましょう
ウ)歩き回る、徘徊。
→ ×勝手に歩いたらだめですよ ○どちらに行くのですか?そろそろ休みませんか?
エ)まだご飯を食べてない。
→ ×食べましたよね ○これをしてから、ご飯にしましょう。食卓整理や散歩など興味を、食事からそらす。

ご家族や介護を支援する人からは、気を付けていても命令口調になりがちです。ただ本人からするといい気分ではありません。
認知症や介護は、現代の超高齢化社会では深刻な家族問題に発展する場合もあります。
まずは、【認知症】【介護】について理解を進めましょう。
そして、ひとりひとり介護を必要とするようになったきっかけは違います。なので、接する際には子ども扱いをせず、その人の個人としての尊厳を守りましょう。ただし、介護や認知症への対応に正解はありません。


参加された地域の人からは
○自分の将来の事を考える良いきっかけになった。
○難しい話もあったが、勉強になった。
○家族に優しく、他人にも優しくしていきたい。
と感想が挙げられました。

認知症は、発症されたご本人もショックなことであり不安を感じています。
その人の想いを否定せず、自尊心を守り個人として接することが大切になります。
認知症サポーターは、特別な資格を持った人ではありません。
まずは認知症を理解すること。
そして、ちょっとだけ、地域近所で、困っている人へ、お手伝いしてみませんか。

小豆沢病院医局事務