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東日本大震災支援レポート

東日本大震災 現地医療支援レポート

◆小豆沢病院医師(小児科)
 篠田 格

◆支援期間
 2011年4月28日~5月1日

◆支援場所
 宮城県塩釜市坂総合病院と石巻の避難所など

   4月28日から5月1日までの4日間、医療支援として宮城県石巻周辺に行ってきました。津波による被災地とそれ以外の被災地の落差がとても大きかったと感じました。支援の拠点となった塩釜市にある坂総合病院近くのコンビニエンスストアでは、おにぎりやお弁当が揃っていましたが、津波の被害を受けた海沿いの地域はまだ瓦礫がころがっていて生活の場が奪われたままでした。 
 石巻市の避難所を訪問し、診察を行いました。避難所で生活している方々はカーテンもない大部屋で寝起きしておりプライバシーがない生活を送っていました。震災発生後から糖尿病のインシュリン注射を中断している方がいました。避難所近くのクリニックは再開していましたが、通院が困難なため行くことができないとのことでした。集団生活のため特に感染症に対する注意が必要ですが、2週間以上も咳が続いている方でも受診を控えていました。震災発生から1ヵ月半たっても避難所での生活はまだまだ大変であり生活支援が必要な状況でした。 塩釜市にある拠点病院の坂総合病院では当直を行い、子供を含む下痢や嘔吐の患者さんの診察を行いました。 小豆沢病院・健康文化会では全日本民医連の医療チームの一員として、これまでに29人が被災地の医療支援を行いました。全日本民医連からは延べ12,035人が被災地に入り、医療や生活の支援を行っています(5月17日現在)。私たち小豆沢病院はこれからも継続して被災地支援を続けていきたいと思います。

    
◆小豆沢病院医師 
  竹下賢司

◆支援期間
 2011年03月22日~3月25日

◆支援場所
 宮城県塩竈市(坂総合病院)

 2011年3月11日に起きた東日本大地震に対して、宮城県塩竃市の坂総合病院へ支援にいきました。被災地の現状を見ようと海岸沿いの七ヶ浜地域を車で見に行きましたが、住宅街があったと思しき一帯が津波に押し流され更地となり、がれきの山となっている現状をみて被災地の凄惨さを実感しました。まるで戦後の焼け野原となった東京のようでした。坂総合病院はやや高台にあり、津波の被害はほぼ完全に免れていました。全体に、地震による被害というよりも津波の被害が深刻で、高い位置にある家は無傷だが、海岸に近い低い位置にある家は全壊するなど、高低差によってはっきりと被害状況が分かれていました。

  震災直後の急性期ですが、対応できないほどの数の患者が運び込まれ、病院スタッフはかなり疲弊していたようです。しかし坂総合病院は事前に病院単位でのトリアージの演習をおこなっており、スタッフのトリアージ能力はかなりのものであったとの話でした。
  自分が到着した時には震災後11日で、ちょうどトリアージが終了になるなど、慢性期への移行時期でした。支援者の数もかなり増えてきており、病院のERや初診外来への割り振りもありましたが、大部分は避難所回りに割り振られていました。支援者も研修医の他に中堅からベテランの内科医、外科医、小児科医、家庭医、精神科医などがそろっていました。一方、大勢の支援者を病院スタッフが割り振るのに苦労していた感がありました。
  青年~中年は昼には自宅跡に戻り、片づけや復興作業を行っており、夜に避難所に戻ってくる人が多く、人の数が流動的で把握するのが困難でした。
 小中学校の体育館や文化センターが避難所となっていましたが、衛生面が劣悪で、館内は土足で、床にそのまま毛布を敷いて寝ているという状態のため、土埃が舞い、空気はひどくよどんでいました。避難所によって、また同一施設でも部屋によって暖房が不十分なところがあり、とても長くいられないほど寒い部屋もありました。
 実際に避難所を周り、被災者の中に具合の悪い患者がとても多くいることに気づきました。多賀城市の文化センター(800~1000人が避難)を主に支援していましたが、風邪や胃腸炎が蔓延しており、さらにメンタルケアの必要な小児や足浴などの看護・介護が本格的に必要な時期にきていた印象があります。
  避難所に留まる被災者の数や支援者数が日ごとに変化するため、具体的な計画は前日から当日の朝にかけて急ピッチで立てるというもので、全国から集まった即席のチーム(医師、看護師、事務が3人で1チームとなり避難所を回る)がうまく機能し、診察、処方、現状報告、引き継ぎとなんとかこなすことができました(往診での経験が少し役にたちました)。

◆小豆沢病院看護師(外来)
 飯塚康野

◆支援期間
2011年3月16日~19日

◆支援場所
宮城県塩釜市坂総合病院

  震災から6日目、3月半ばというのに雪や冷たい風の舞う寒い宮城でした。実質2日半で6ヶ所の避難所の訪問を行いました。訪問にあたり、医師、看護し、事務など他職種、各1名ずつでチーム編成しました。地元に詳しい友の会の方も同行してくださり、助かりました。
避難所である小中学校や体育館の環境は物資や暖房も場所により、かなりの差がありました。避難所には身一つで出てきて家を失った方も多く、実際に被災者の方の声を聴くと、うなずく事しかできませんでしたが「遠くから来てくれてありがとう」との声をいただき、逆に励まされてしまいました。
 血圧や体温測定、療養相談や風邪薬などの臨時処方を行いました。今一番困っていることについて伺うと「高血圧や糖尿病などの定期の薬が切れている」「下着が取り替えられない」「お風呂に入れず、皮膚症状を発症している」ことなどでした。私たちのできることは本当に限られていましたが、まだまだ行き届いていないことを報告することが私たちの役割だと信じて毎日の報告書にたくさん記入して来ました。
どうぞ、少しずつでも被災者の方々に希望がみえますように。

◆小豆沢病院看護師(2階病棟)
 川口寛和

◆支援期間
 2011年3月16日~19日

◆支援場所
 宮城県塩釜市坂総合病院

 坂総合病院は震災に遭いましたが、病院としての機能は残ったため震災直後より、救急患者の受け入れや避難所への支援等行っていました。
 当日は、ミーティングを行い、前日の受け入れ状況等を確認。1日救急車40台、それ以外の診察で200人以上と、通常診療の2倍以上の人を受け入れていました。また定床は357床ですが、リハビリ室や検査室等を使用し、392床で稼動。来院患者は全てトリアージ(状態に応じて、重症から赤・黄・緑に振り分け、処置の必要度・優先度を明確に表示)をして患者を振り分け治療。最初の頃は地震と津波の被害で、救急処置が必要な人が多いようでしたが、日が経つにつれ重症である赤の患者は減少し、軽症である緑の患者は増えている状況でした。現在では慢性疾患の方や地震・津波などによる精神的ケアなどに目が向けられています。
 私は滞在期間中、塩釜市や多賀城市の避難所を訪問しました。避難所へ向かう間、津波の被害で家が瓦礫の山になっていたり、食料や水を求め長蛇の列で、テレビや新聞で見る以上に悲惨な状況でした。避難所は大小様々あり、文化センターなどで2000人位、小学校などで100人位いました。高齢者は基礎疾患・持病を患っている人が多く、定期内服をしていたが地震や津波で家ごと紛失し、1週間近く内服できていない人が多数いました。中には、降圧薬を服用できず、収縮期血圧が200以上の人、透析を受けられない人もいました。また小児では、ストレスで体調を崩す子が多くいました。どの避難所でも、食事が満足にできなかったり、津波の泥で、水が使えず不衛生になることから、インフルエンザや風邪など蔓延していました。 避難所では血圧を測定したり、健康状態を聞きましたが、この程度しかできず、被害の大きさと無力さを実感しました。でも避難している人達から感謝されたり、笑顔を見て、私の方が元気をもらいました。
 現地では復興への道は遠く、様々な課題があります。私たちで支援できることを行い、復興へ向けて歩むことができるようにしたいと思います。

◆小豆沢病院理学療法士
 青木幸平

◆支援期間
 2011年4月18日~24日

◆支援場所
 宮城県塩釜市坂総合病院

【情報を共有する場が必要】
 宮城県の多賀城体育館の避難所で個別リハビリテーションやセラピストの視点から環境問題の改善、リハビリ業務の引継ぎなどの支援を行ないました。普段私たちが行なうリハビリテーションとは、医師の処方があり、他部門との協力の下でゴールを決め、それに向かって行なっています。しかし、避難所では、リハビリの対象者をみつけるところから始まり、他部門との情報交換の場を作らなくてはなりませんでした。また支援者も一週間程度と短期のため、経過と横のつながりを伝えることも大切でした。環境の改善では、転倒しかけた方がいたため、マットに張ってあったガムテープの張り方を工夫しました。
 私自身は、多賀城体育館の避難所しかわかりませんが、避難所によって支援内容にかなりの差があるようです。また、食事もパンやおにぎりなどの炭水化物が中心で、野菜が不足している状態です。避難の方々はストレスを溜め込んでいる方が多く見受けられました。 
各団体から、支援者がきており、各々支援している現状です。避難所を管理している方でも、被災者の状況を把握できておらず、行政も同じ状態だと思われました。情報を共有する場を設け、必要な支援内容を再検討する事が今後の課題だと思いました。

◆小豆沢病院作業療法士
 白井 正輝

◆支援期間
 2011年4月18日~24日

◆支援場所
 宮城県塩釜市坂総合病院

【被災者の立ち上がろうとする姿に勇気をもらった】
 震災後に延々とテレビで放送される被災地の映像を見て、いてもたってもいられない気持ちになり、被災地への支援を志願しました。
 現地で支援の内容を知るまでは、泥すくいや瓦礫撤去などをする覚悟でいましたが、予想に反して坂総合病院の協力のもとリハビリテーションチームとしての支援でした。
 私は、避難所の一つ多賀城市総合体育館での支援でした。避難所では、菓子パンや缶詰などのかたよった食事の配給が多く、野菜や肉などの食材を食べる機会は、炊き出しなどのボランティアが頼りとなっていました。避難者の皆様は、医療やリハビリが必要な方も含め、ベッドや椅子のない環境の避難所での生活を余儀なくされていました。
 私は支援者として、被災された方々と会話したり、困っていることを聴いたり、リハビリを行いました。その中で強く感じたことは、「自分自身も被災者の方から支援されている」という実感でした。
 被災者の皆さんは、それぞれに一生懸命立ち直ろうと避難所でふんばっていました。その状況に直接触れたことで、勇気付けられました。また感謝されることで、これまでに感じたことのない感動がありました。
 支援に行った私が、被災者の皆様から今後の人生に対する勇気や元気を支援される、そんな体験となりました。この場を借りて、関わりのある皆様全員に感謝いたします。

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